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Channel: webDICE 連載『DICE TALK』
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ロサンゼルスのホラー短編映画祭Visceraが日本にも出現、東京スクリーム・クイーン映画祭

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東京スクリーム・クイーン映画祭上映作品『ドール』より


世界から集められた、女性監督によるホラー&ダーク・ファンタジーの短編作品を上映するイベント、東京スクリーム・クイーン映画祭が10月26日、27日の2日間、渋谷アップリンク・ファクトリーで開催される。東京スクリーム・クイーン映画祭は、毎年アメリカ・ロサンゼルスで行われている女性ホラー監督が手掛けた短編作品を集めたViscera映画祭の姉妹映画祭として今年より始動する。開催にあたり、Viscera映画祭のシャノン・ラークさん、そして東京スクリーム・クイーン映画祭の中西舞さんという日米のスタッフに、映画祭の特徴そして見どころを聞いた。




映画は女性にとって考え方や感じる事を表現する重要なツール




── 今回の東京スクリーム・クイーン映画祭を開催することになった経緯を教えてください。




中西舞:カナダ在住中に、現地で知り合った女性監督がViscera映画祭上映会をバンクーバーで主催する事になり、足を運んだのがViscera映画祭を知ったきっかけです。グロテスクな中にも独特の美的感覚があったり、毒がたっぷり効いたダーク・ユーモア満載の作品に一瞬で心を奪われました。いつか自分でもホラー映画祭をやりたいと考えていたので、Visceraの存在を知った事で日本で開催出来たら面白いだろうな、と具体的に考えるようになりました。偶然、今年のViscera映画祭に私が携わったゾンビ短編が招待される事になり、これはチャンスだと思い、Viscera主催者に東京でのイベント企画を提案しました。バンクーバーViscera主催者の友人の推薦もあり、シャノンを始めスタッフの皆さんが快く承諾してくださり、今回のイベントが実現しました。





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中西舞さん




── シャノンさんはなぜ女性作家にこだわった映画祭を企画されたのでしょうか



シャノン・ラーク:一番の理由としては映画という手段を使って女性がストーリーや考え方を共用する事の必要性を感じるからです。ホラーというジャンルは作り手の恐怖心や欲求が強く反映されるものだと思います。作り手の周りで起きている政治的、社会的そして生物学的な事柄がメタファーやシンボルとして表現され、それらが映像となって観客に投げかけられていると考えます。映画は女性にとって考え方や感じる事を表現する重要なツールであり、そのプロセスを通して映画業界がより良いものになると信じています。




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シャノン・ラークさん




── 女優として活動されていたシャノンさんが、演じる側から見せる側(映画祭主催者)に意識がシフトしていった、その心の変化についてお聞きかせください。



シャノン・ラーク:女優をしているからこそ映画を作る側の道にも興味が湧き、また映画を作りたいと思いました。また映画を作る側として活動して行く中で、映画祭という形で他の作り手たちの作品が共用出来る場を作りたいと考えました。そしてフィルムメーカーと自分たちの夢を追いかける人たちをサポートする活動をしたいと考えました。



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Viscera映画祭のポスター


── 過去の映画祭についてお聞きします。1回目の規模、2回目以降の規模、実績、心に残っているエピソードがあれば教えてください。



シャノン・ラーク:Viscera映画祭を立ち上げてから色々な方々からサポートを受ける事が出来ました(東京スクリーム・クイーン映画祭も勿論その1つです!)。



Viscera映画祭の上映イベントではスタッフやスポンサーなど沢山の方に協力して頂いていますが、昨年からは歴史のあるロサンゼルスのエジプシャン・シアターで開催する事が出来たのはとても光栄な事でした。




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東京スクリーム・クイーン映画祭上映作品『キラーズ』より



東京から日本&アジアの女性監督によるホラー作品を世界へ発信したい




── 今までみたホラーベスト5は何ですか。また尊敬する作家はいますか。理由も含めて教えてください。



シャノン・ラーク:トップ5は、順不同で『アレックス』(ギャスパー・ノエ監督)、 『屋敷女』(ジュリアン・モーリー & アレクサンドル・バスティロフ監督)、『サンタ・サングレ/聖なる血』(アレハンドロ・ホドロフスキー監督)、『ハードウェア』(リチャード・スタンリー監督) そして『渇き』(パク・チャヌク監督)です。



尊敬する監督は、ハーモニー・コリン、ピーター・ジャクソン、デビッド・リンチ、そしてアレハンドロ・ホドロフスキー。女性監督であれば、キャサリン・ビグロー、そしてメアリー・ハロンです。



中西舞:順不同で、『死霊のはらわら』(サム・ライミ監督)、『シャイニング』(スタンリー・キューブリック監督)、『何がジェーンに起ったか?』(ロバート・アルドリッチ監督)、『永遠のこどもたち』(J・A・バヨナ監督)『ミスト』(フランク・ダラボン監督)です。



尊敬する監督を挙げると、テリー・ギリアム、サム・ライミ、パク・チャヌク、ヤン・シュヴァンクマイエル、ギレルモ・デル・トロ、そしてデヴィッド・リンチです。



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東京スクリーム・クイーン映画祭上映作品『オレンジ郡殺人鬼』より



── シャノンさんは、日本のホラームービーについてどんな意見を持っていますか?



シャノン・ラーク:これまで『リング』、『呪怨』、『オーディション』、『自殺サークル』と『東京残酷警察』そして『ステーシー』を見ました。アジアのホラー映画は好きですが特に日本のホラー映画はとてもリアルで怖くて大好きです。また日本映画の中で描かれているセクシュアリティや社会的圧力についてとても興味を持ちました。




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東京スクリーム・クイーン映画祭上映作品『フランケン・ブライド』より


── 今回の映画祭実現に向けて、どんな点が大変でしたか?




中西舞:実現に向けて一番大変だった事は日本語以外の上映作品(22本)に字幕を付け、上映素材を制作する作業です。朝から深夜まで作業に没頭する日々が続きました。まだスポンサーがついている訳では無いのでお金もかけられませんし、ウェブサイトも手作りです。ロゴや映画祭の予告編も海外のクリエイターの友人らと毎日深夜から朝方までskypeしながら作業したりと寝不足な日々でしたが、自分達で一から作っているという実感があってとても貴重な経験になったと思います。こちらがやりたいと希望している事も、会場のアップリンクは自由にやらせてくださったのでとてもありがたかったです。


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東京スクリーム・クイーン映画祭上映作品『さまよう心臓』より



── これからこの映画祭は、日本とアメリカでそれぞれどのように展開していくのかビジョンを教えてください。




シャノン・ラーク:私たちは女性のジャンル映画作家の支援を一番の目的として活動しています。今後も夢を追い続ける女性たちを応援しサポートしていきたいと考えます。




中西舞:Viscera映画祭とのコラボレーションは今後も続けていく方向ですが日本を中心としたアジア女性監督の作品を更に集められればと考えます。まだ立ち上がったばかりですが、これからも色々な方達と協力して東京スクリーム・クイーン映画祭を盛り上げて行き、将来的には東京から、日本&アジアの女性監督によるホラー作品を世界へ発信出来るような場になれればと考えます。




シャノン・ラーク:東京スクリーム・クイーン映画祭の上映ラインナップは素晴らしいと思います。才能溢れる女性フィルムメーカーの作品を観に来て下さい。そしてぜひ皆さんで東京スクリーム・クイーン映画祭をサポートしてください!



(構成:駒井憲嗣)











シャノン・ラーク プロフィール



子供の頃からエンターテイナーとしての才能を発揮し、舞台への出演やダンサーとして活動していたが16歳の時に初めて映画を作る。それから10年余り、監督、脚本、女優、プロデューサーそしてViscera映画祭の運営に従事。オハイオ州、ニュー・メキシコ州、カンザス州などアメリカ中の色々な州を渡り、現在はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点として活動中。



中西舞 プロフィール



東京都出身。シンガポール育ち。カリフォルニア大学映画学科在籍中に市民向け映画上映会のボランティアや現地映画会社でのインターンをきっかけに映画業界でのキャリアをスタート。外資系映画会社や映画専門チャンネルを経て、2011年にカナダに渡り、映画プロデュースを学ぶ。現在はホラーを中心としたコンテンツの企画・プロデュースに携わる。











webDICE_チラシ表映画祭



東京スクリーム・クイーン映画祭

2013年10月26日(土)27日(日)渋谷アップリンク・ファクトリー




企画:中西舞(ghastlyghostly)

協力:The Viscera Organization



公式サイト:http://screamqueen2013.wix.com/screamqueenfftokyo

公式Facebook:https://www.facebook.com/ScreamQueenFilmfestTokyo














【オープニングプログラムA】(77分)

2013年10月26日(土)開場18:45/上映19:00


『ドール』

『キラーズ』

『ベイビー・フェイス』

『さまよう心臓』

『エターナル・プリンセス』

『ハロウィン・キッド』

『ドア』

『暗闇』

『バタフライ』

上映後Q&Aあり

ゲスト:秦 俊子監督(『さまよう心臓』)、イサベル・ペパード監督(『バタフライ』)












【プログラムA】(77分)

2013年10月27日(日)開場14:45/上映15:00


『ドール』

『キラーズ』

『ベイビー・フェイス』

『さまよう心臓』

『エターナル・プリンセス』

『ハロウィン・キッド』

『ドア』

『暗闇』

『バタフライ』

上映後Q&Aあり

ゲスト:イサベル・ペパード監督(『バタフライ』)













【プログラムB】(78分20秒)

2013年10月27日(日)開場17:15/上映17:30


『フランケン・ブライド』

『ジャンプ!』

『ハリウッド・スキン』

『殺人バニ―』

『共食い』

『ママとモンスターたち』

『集会』

『貧血』

上映後Q&Aあり

ゲスト:加藤麻矢監督(『貧血』)、大畑創さん(映画監督『へんげ』『大拳銃』)












【プログラムC】(75分50秒)

2013年10月27日(日)開場19:45/上映20:00


『オレンジ郡殺人鬼』

『マイ・ゾンビ・フレンド』

『ハロウィン・ナイト』

『殺人子守歌』

『香港ドリーム』

『シェルター』
『記念日のディナー』

『HIDE AND SEEK』

上映後Q&Aあり

ゲスト:朝倉加葉子監督(『HIDE AND SEEK』『クソすばらしいこの世界』)、大畠奈菜子さん(『クソすばらしいこの世界』主演)


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