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Channel: webDICE 連載『DICE TALK』
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16歳の高校生・安藤勇作くんが主催する「10代の映画祭」開催、10代の映像クリエイターが集結!

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デジタルネイティブである日本の10代の映画監督や映像クリエイターの作品を特集する「10代の映画祭」が2014年8月10日(日)渋谷アップリンク・ファクトリーにて開催される。この映画祭の企画から運営のすべてを手掛けるのは現在16歳・高校1年生の安藤勇作くん。青春、コメディ、エロス、グロテスクと多彩な作品が揃ったこの映画祭開催の契機、そして今回上映する各作品について安藤くんに話を聞いた。



将来を担っていく10代が、

がんばって活動をしている姿が好きなんです。



──安藤くんが運営している10代のクリエイターを紹介するサイト「ヤンユチュ!!」のたちあげのきっかけを教えてください。



中学1年くらいからYouTubeやVimeoをみはじめました。家にはPCもありましたけれど、親にiPhoneを買ってもらったときに純正でYouTubeのアプリが入っていて、いろんなところでみられるという気軽さもあって、家の中や外でもiPhoneでイヤフォンをして暇さえあれば観ていました。最初は、もともとAppleなどコンピューター製品に興味があったのでアン・ボクシング動画(新製品のパッケージを開けて紹介する動画)をずっと観ていたんですけれど、YouTubeに表示される関連動画から、自分と同じ世代の人がアンボックスを真似た動画や、カメラを買ったらそれで動画を撮ってYouTubeにアップしている人がいるんだというのを知ったんです。みんなハンドルネームを使ってはいますけれど、年齢やどこに住んでいるかを自分でSNSやYouTubeを通して発信しているんです。そこから自分と同じ歳の人が作っていることを知って、面白いなと思いました。




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「10代の映画祭」の安藤勇作くん



その前から、MACやiPhoneについているiMovieを使って家族のスライドショーとか映像を作るのが好きだったので、自分も動画をYouTubeにアップしてみようと思いましたが、ただ単にパッケージを開けて内容を説明しても、多くの人に観てもらうのは難しいというのを痛感しました。それで、自分は作るよりも、動画をアップしている人たちを紹介して、もっと多くの人に観てもらいたい思い、それが「ヤンユチュ!!」の前身の「ヤングユーチューバー」に繋がりました。



──「ヤングユーチューバー」というのは安藤くんがつけたのですか?



そうです。パッと浮かんで。中2で作りました。最初はArtisteerという海外のHP制作ソフトの無料版をダウンロードして、フラワーデザインをしていている父親のためにホームページを作って、その後有償版を買ってもらいました。日本のソフトも試してみたんですけれど、テンプレートの決まりきった型に画像を入れていくだけで、もっとデザインのオリジナリティを突き詰めていきたかったんです。Artisteerの練習の一環として作ってみようというのも「ヤングユーチューバー」を立ち上げる理由のひとつでした。昨年、受験前に「ヤンユチュ!!」という名前にして新たに始めました。



──どのようにして10代の動画を集めたのですか?



YouTubeで動画をいろいろ観て、「紹介させてもらえませんか」とメールで声をかけていきました。自分の動画を紹介してもらえることに好印象を持ってもらえたみたいで、オープンのときから10から15人くらいの人を紹介することができました。当時は自分と同じ境遇の10代が多かったので、そのなかでも“この人たちきてるな”という人を積極的に紹介してきたつもりです。そして、バンドでいうとインディーズみたいな、まだあまりみられていな人もホームページで紹介することによって動画を観てもらえるように工夫をしました。



「オープンはしたけれどその後更新されないサイトだったら嫌だ」という方もいらっしゃったんですけれど、若いユーチューバーだけじゃなくて、大人のユーチューバーに「10代のユーチューバーをどう思うか」とインタビューをしたり、声をかけたユーチューバーにも、どのように動画を作っているのか、なぜ作るようになったのかインタビューして掲載したり、イベントに積極的に参加してそのイベントの様子をレポートしたりするようにしました。



──「ヤンユチュ!!」のアクセスはどうやって増やしていったのですか?



紹介してもらった方々にTwitterで発信してもらいました。Facebookだとどうしても本名を出さなければいけないのですが、YouTubeでもハンドルネームでやっている方が多く、匿名性はTwitterのほうが高いので。公式のTwitterアカウントのフォロワーは現在3,000人くらいいるんですけれど、オープン当時はなかなか浸透度が低かったので、URLを貼って自動ツイートするようにして拡散してもらうようにしました。



──高校に入って、中学と変わったところはありますか?



アンボックスよりも、映画やドラマ、ボイパ(ボイスパーカッション)のヒカキンさんとか大地さんといった自分で音楽を作って上げている人たちのような、クリエイターによる作品を観るようになりました。今回上映する「KIKIFILM」というプロダクションによる、10代がちゃんとしたクオリティで作品を作っているのを初めてみたときに、面白いなと思って、もっと探してみるようになったんです。



──いま「ヤンユチュ!!」で紹介している人は、直接会ったことはあるのですか?



会った方もいますが、多くの方はネット上だけでやりとりをしています。



──今回、アップリンクというリアルな空間で映画祭をやろうと思ったきっかけは?



ネット上だけで作品を上げている10代の人たちがいるのを知って、こういうのを作れる才能を持つ人いることをもっと知ってほしかった。今10代の映画をコンテンストで評価する人ってただ「10代だからすごい」という理由が多いですが、当の本人たちにしてみれば、自分が作りたいから作っている人が多い。そうした作る意欲を持っている人たちがいるというのを世の中に示していきたいと、中3のときに「10代の映画祭」をやろうと思いました。



──安藤くん自身は、初期衝動で作りたいから作るのではなく、映画祭をキュレーションしたりホームページを作ったり、彼らとは違う立ち位置ですね。



そうですね。今回の映画祭も自分がオーガナイズしていたわけですが、「ヤンユチュ!!」を始めたときから、表舞台に立つのではなく裏方というか引き立て役のほうが向いているのかなと。自分自身も作りたい気持ちは心のどこかであるんですけれど、今は自分が影響を受けた人たちをもっと広めていきたいです。



映画や映像に限らず、選挙活動とか、これから将来を担っていく10代が若いうちにがんばって活動をしている姿が好きで。それを大人の方々をターゲットに知らせていくのも10代の自分の役割なのかなって。











【Aプログラム】




『希望を求めて File.1 「僕らの」世代の政治と学校』

監督:松本祐輝[Ours](2014年/日本/40分・カット版/DVD)



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「OURS」という10代の映画集団グループが同じく10代で政治的活動をやっている「ぼくいち」という団体を撮ったドキュメンタリーです。そういう政治活動も映画を撮ってる人もあまり知られていない。大人でそれに目をつけている人もいますけれど、広めるようという人はあまりない。



20代の人が選挙に行く人が少なくなっている、そういうことを問題視して活動している10代の人たちの姿を見てもらうことによって、知ってもらいたかったんです。



「OURS」はもともとネット上で発表する予定だったんだと思いますが、自分が声をかけたときに「8月の公開まで完成させることができます」とお返事いただいたので、上映することにしました。




『Five Dreamers』

監督:沼口寛樹(2014年/日本/26分/カラー/16:9/DVD)



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自分と同い歳の高校生が作っているんですけれど、中学生っぽい物語なんです。セリフやラブコメなど恋愛の要素を織り交ぜてくる構成が、青いなというか、若いなと(笑)。この前監督の沼口寛樹くんに会って「2020年の東京オリンピック開催が決定したことがすごい嬉しくてこの映画を作ったと言っても過言ではない」と言ってたんですよ。そういう希望を映画に詰めてるのがすごいいいなと思って、彼の作品を入れることにしました。




『私は今、幸せじゃない』

監督・脚本・編集:小畑智寛(2014年/日本/33分/DVD)




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「KIKIFILM」所属の、もうすぐ20歳になる小畑智寛さんの作品です。今、大学生の方なんですが、今回の上映作品のなかでは大人な考え方というか、大人になりきれなかった大人について映像にしていて。編集途中のラッシュを観て、面白いと思いました。16歳の沼口くんが作った作品と、19歳の小畑さんが作った作品では、やっぱり描写や映画の作り方がちょっと違う。歳を重ねることによって考え方も変わってくることを両作品上映することで知ってもらいたいと思いました。





【Bプログラム】




『瘡蓋譚』

監督:上野遼平(2014年/日本/26分/DVD)




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Bプロは意識的に暗めの作品を集めました。いま高校3年生の上野遼平さんが作った作品なんですけれど、ツイッターでいろんな映画を作っている監督を探していたときに知りました。これを作ったときは高校2年だったかな。河瀨直美監督がやっている映画制作ワークショップを受けていて、その一環として河瀬さんのプロデュースを受けて作ったんですけれど、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に最年少で出品されたということで話題になりました。



高校3年生が描くエロスをテーマにしていて。内容を最初聞いたときは、すごい、こういうのを作っている人もいるんだ、観てみたいなと思ったので、プレビューさせていただいて、自分にはない要素があったので、上映することにしました。Aプロの人たちとまったく思考も違いますし、セックスのシーンはないんですけれど、けっこう生々しいシーンもあるんです。瘡蓋を衝動的に食べてしまう夫が主人公です。




『フカイカン』

監督:小西善仁(2014年/日本)




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実はまだプレビューを観ていないんですけれど、最初にPonkoni Filmsの小西さんの『BATHROOM』をという作品を観たとき衝撃的で。作品としては意味不明なんですけれど、面白い。YouTubeでは長尺の作品はなかったんですけれど、映画を作っているということを聞いて、こういう撮り方をしている人に映画を撮ってもらったらどういうのができるのかなとメールで頼んだら、「ぜひ作品を上映させてください」と返事をもらいました。




『温かい食卓』

監督・脚本:浦崎恭平(2012年/日本/27分/DVD)



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2013年に新宿ロフトプラスワンで行われた「学生残酷映画祭」でグランプリをとった作品です。スチール画像からも分かるんですけれど、10代でグロテスクという難しいテーマを撮っている。限定公開でURLを送っていただいて観たときに、いろんなグロテスクな映画があるなかで、10代が描くグロテスクってないと思った。浦崎恭平さんはのちのちお聞きしたら20代になっていたんですけれど、この作品を撮ったときは10代だったので入れることにしました。



(インタビュー:浅井隆 構成:駒井憲嗣)










安藤勇作 プロフィール



現在16歳。史上最年少のオーガナイザーとして「10代の映画祭」を主催。2012年に10代のクリエイターを紹介するサイト「ヤンユチュ!!」をオープン。以後10代のクリエイターを世に周知するため精力的に活動。2013年に「10代の映画祭プロジェクト」を立ち上げる。













10代の映画祭

2014年8月10日(日)

渋谷アップリンク・ファクトリー



Aプログラム(15:50開場/16:00上映開始)

Bプログラム(19:10開場/19:20上映開始)

料金:Aプロのみ:学生1,300円/一般1,800円◆Bプロのみ:学生1,300円/一般1,800円◆A+B両方:学生2,000円/一般2,500円(40枚限定)

ご予約は下記より

http://www.uplink.co.jp/event/2014/29629












Aプログラム(15:50開場/16:00上映開始)



★各作品の上映終了後、10代の監督たちによるプレゼンテーションあり




『希望を求めて File.1 「僕らの」世代の政治と学校』


監督:松本祐輝(Ours)

製作:桐山凜太郎 助監督:菊竹伸輔

出演:青木大和(学生NPO「ぼくいち」代表)その他

2014年/日本/40分・カット版/DVD



2012年4月の設立以来、全国模擬選挙や議員会館でのイベント「高校生100人と国会議員」といった大規模な企画で、高校生の間に新たなムーブメントを生み出しつつある学生NPO「ぼくいち」。部活と受験勉強に明け暮れる学校では中々話題にできなくなってしまった「政治」や「社会」の問題を、新しいやり方で語ろうとする『ぼくいち』を、イベント前夜やその後の参加者、そして代表青木大和の葛藤も捉えながら取材した。



『Five Dreamers』


監督:沼口寛樹

2014年/日本/26分/カラー/16:9/DVD



2020年東京オリンピックの開催が決定した。5人の個性ある14歳が、2020年に向かってそれぞれの夢に向かって走り出す。自分の持ち味を活かしながら、それぞれの道を。皆で一緒に歩いた堤防沿いの通学路。心の解放される、美しい海。美しい景色の中で撮影された、爽やかな青春ラブコメディ。恋も、夢を追うことも、そして挫折もみんなが通る道。一本道でなく、寄り道をしてこそ得られる本当の幸せ。宮崎と東京の中学生による合同製作。



『私は今、幸せじゃない』


監督・脚本・編集:小畑智寛

撮影:星智教

協力:東京工芸大学

制作:KIKIFILM

出演者:小松遼太、石井貴之、荒川実里

2014年/日本/33分/DVD



2020年東京オリンピックが終わった近未来の日本。とある田舎で二人の男が再会する…。大人になるとは何か。なぜ大人にならなければならないのか。大人になった先に何があるのか。大人になりたかった保険屋。大人になりたくなかったダンサー。大人を装ったミュージシャン。大人と子供を彷徨う3人の物語。













Bプログラム(19:10開場/19:20上映開始)



★各作品の上映終了後、10代の監督たちによるプレゼンテーションあり



『瘡蓋譚』


監督:上野遼平

出演:加門功、花岡芙喜子、上田正、うだしげき

プロデューサー:河瀬直美

撮影:橋本礼

助監督:野垣鉄平

音楽:大橋了久

カサブタメイク:五十嵐公子

ラインプロデューサー:小出順子

2014年/日本/26分/DVD



ある夜、夫は眠る妻の瘡蓋を衝動的にこっそりと食べてしまう。それから夫は、妻の瘡蓋を食べるようになり、 次第に妻もその事に気付き始める。そして夫は罪悪感を感じるが妻は夫の期待に応える事に快感を感じるのだった。想えば想う程に二人はすれ違ってゆく。



『フカイカン』


監督:小西善仁

出演:荒井優希、小西善仁、水野すもも、森いちぢく、吉田武三

2014年/日本



劇作家の松尾スズキと監督の園子温に強い影響を受け、世の中の闇を悲劇的に描き、また小劇場で二回公演を経験し、演劇と映画の融合を目指す、異色の監督・劇作家、小西善仁による監督作品。その真相は、劇場で確かめろ。



『温かい食卓』


監督・脚本:浦崎恭平

撮影:川崎一真

照明:北野翔紀

録音:飯塚 大

助監督:平澤亜衣、了舟 隼人

制作:信永 浩志

出演:鈴木ただし、浦崎恭平、楠本めぐみ、磯田穂、西出明、西浦真之介

2012年/日本/27分/DVD



毎日相変わらず仕事に風呂にゴミ出し。そして家族でご飯を食べる。“何も感じ無くなったら終わりだ”「第5回学生残酷映画祭」グランプリ受賞作品。


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