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スコットランドの田舎町が輝く!『サンシャイン』監督が語る「ヒットミュージカルを映画化する方法」

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映画『サンシャイン/歌声が響く街』より ©DNA Films




スコットランドの田舎町リースで暮らす結婚25年目の夫婦。彼らに訪れた危機を中心に、ふたりを取り巻く恋人、友人そして家族を描きUKで大ヒットしたミュージカルを映画化した『サンシャイン/歌声が響く街』が8月1日(金)より公開される。俳優としても活躍するデクスター・フレッチャー監督が、スコットランドの国民的バンド、プロクレイマーズの名曲をふんだんに盛り込んでミュージカルの熱気をスクリーンに甦らせた今作制作の経緯について語った。



家族、恋人同士の愛の難しさを描く



──本作を撮るに至った経緯を教えてください。



1作目の『ワイルド・ビル』を撮った後に、舞台版「Sunshine on Leith」の映画化権を取得したプロデューサーからアプローチを受けたのが始まりです。映画化する際に、物語、キャラクター、音楽を深く知る度にどんどんエキサイティングになっていきました。そして2年後、ようやく完成し、こうして日本に持ってくることができました。




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映画『サンシャイン/歌声が響く街』のデクスター・フレッチャー監督



──以前からミュージカルには興味はあったのですか?



40年位前に子役として出演した映画の一つが、アラン・パーカー監督の『ダウンタウン物語』でした。アラン・パーカーといえば、『フェーム』『ザ・コミットメンツ』『エビータ』といった音楽映画、ミュージカル映画を撮っている監督です。彼の最初のミュージカルであった『ダウンタウン物語』に出演したのが、僕にとって初めてのミュージカル映画体験になりました。その他に『雨に唄えば』『キャバレー』など50年代、60年代のミュージカル映画が大好きでしたし、その後俳優としても舞台上でミュージカルに出演してきたので、ミュージカルはすごく好きだし、知識はあります。ミュージカル辞典というほどではないですけどね(笑)。



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映画『サンシャイン/歌声が響く街』より ©DNA Films





──今作で全面的にフィーチャーされているプロクレイマーズはどんなバンドですか?監督の印象は?



80年代に大ヒットした「I'm gonna be(500Miles)」がプロクレイマーズで初めて耳にした楽曲でした。スコットランド・リース出身の双子の兄弟のバンドです。ジャンルはフォークロックと言われるタイプの楽曲で、情熱があってハートがあってメッセージ性のある、そんな歌を歌い続けているバンドです。今回の映画の元になった彼らのアルバム『サンシャイン・オン・リース』はUKに住んでいる人であれば一家に1枚持っているのではないかと思う大ヒット・アルバムです。脚本家のスティーブン・グリーンホーンはこのアルバムをベースに物語を作りました。情熱とメッセージ性が強く、特に愛について歌う曲が多く、愛の難しさだったり、素晴らしさを歌っていて、映画もまさに家族、恋人同士の愛情を描いていて、お互い理解しようとするが、なかなか上手くいかない……その難しさを描いています。



──オリジナルの楽曲と設定を変えた部分はありますか?




例えば「Misty Blue」はスコットランド人であることの意義について歌っていますけれど、映画ではラブソングとして使っています。メッセージ性の強い歌をとても個人的で繊細なことに使うのはおもしろかったですね。ストーリーテリングにたくさんの意味と重々しさを加えてくれました。




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映画『サンシャイン/歌声が響く街』より ©DNA Films


スコットランドの陽と影



──スコットランドの街並みがとても素敵でしたが、ロケーションのこだわりについて教えてください。



スコットランドの美しい街並みの素晴らしさ、その古典的な街並み、といったものをしっかり捉えることを念頭に置いていました。スコットランドというと雨や曇りの日も多く、そういうイメージを持たれがちですが、ちゃんと太陽が出る日もあって、天気のいい日は映画的にも素晴らしい画が撮れます。街も、光が差すことによって、その日差しが少しずつ動き、それによっていろんな影が作られて、石畳であったり、街並みも本当に美しくて。今回撮影しているときは、屋外撮影の日は実はずっとお天気だったんですね。スタッフの中でも奇跡だと言っていましたが、僕も本当に奇跡だと思います。そういった意味でもこの作品は本当にたくさんの奇跡が詰まった一本です。それはみんなが歌って踊っているシーンで、スコットランドという場所を舞台に太陽の陽が差している、それを見ていただくだけでも伝わると思います。



──ミュージカルの映画化ということで気をつけた点はどんなところでしょう?



実は撮影の前に元のミュージカル版を観ることができませんでした。ミュージカル映画ということで、ミュージカル・ナンバーも当然書かなければいけません。映画というのはもともと、映像や音楽といった様々な複雑な要素があるところに、今作に関してはミュージカルのナンバーも入れなくてはならないという、更に複雑な要素が増えたので大変でした。例えば、プロデューサーが撮影前に急に「あの曲を追加したい」とリクエストしてきたので、あわててその歌が使えるようにシーンを追加して演出をしなくてはならなかったこともありました。でもミュージカルという未知のテリトリーで、よりエキサイティングな現場であったことは間違いありません。みんなが楽しんでいて、よいエネルギーがみなぎっている現場でした。作業は大変でしたけれどね。



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映画『サンシャイン/歌声が響く街』より ©DNA Films



──音楽だけでなく、普遍的な家族の物語となっているのが特徴だと感じます。



この映画で一番大切な要素が「家族」そして「愛」ではないかと思っています。ミュージカルの素晴らしいところはキャラクターが感じている心の内を観客が観ることができるところ、それが特別なんじゃないかと思います。キャラクターの心情に寄り添いながら、映画を観終わった後に、前向きでハッピー、フィールグッドな気持ちになれる映画です。愛というものは時に「挑戦」がつきものだけど争うことで初めて本当の愛を理解できるのだと思います。スコットランドの家族の物語でありながら、この映画はイギリスでは大ヒットしていますが、それは普遍的な「家族」「愛」を描いているから。日本の方にも共感していただけると思いますので、是非映画館で見ていただければ、観終わった後は笑顔になっていることでしょう。UKの観客と同じように楽しんでいただければ一番嬉しいです。前向きでハッピーな映画ですので、ミュージカルや音楽が好きな方であれば、間違いなく感情移入して楽しんでいただけると思います。誰にでも家族や愛する人がいると思います。その人を想いながら、時に人と人との関係は上手くいかないことがあるけれども、そこには希望も幸せもきっとあるという、この映画のメッセージが伝わると嬉しいです。




(オフィシャル・インタビューより)















デクスター・フレッチャー プロフィール



俳優として『ダウンタウン物語』(76)『エレファントマン』(80)『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)等に出演。『ワイルド・ビル』(11/未)で監督デビュー。英国出版協会の最高優秀番組賞、また英国アカデミー賞の最優秀新人映画部門でノミネートされた。本作が監督2作目となる。現在BBC映画と共に、『Provenance』(原題)の製作中。











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映画『サンシャイン/歌声が響く街』より ©DNA Films



映画『サンシャイン/歌声が響く街』

8月1日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー




曇り空が続く町、スコットランドのリースで、結婚25周年を迎えるロブとジーン。そこへ息子のデイヴィーと、娘のリズの恋人アリーが、アフガニスタンでの兵役から帰還、一家は一気にお祝いムードに包まれる。ところが、大勢の親戚と友人を招いた盛大な銀婚式のパーティで、家族に予想も しなかった危機が訪れる。ロブに24歳になる隠し子がいることが発覚したのだ。さらに、アリーからプロポーズされたリズは、目の前の愛よりも遠いフロリダで働く夢を選ぶ。恋人との新生活をスタートしたデイヴィーも、人生を共にすることは甘いことばかりではないと思い知る。悩み傷つき、バラバラになった家族。彼らを再び結びつけた、ある出来事とは?




監督:デクスター・フレッチャー

出演:ピーター・ミュラン、ジェーン・ホロックス、ジョージ・マッケイ、ケヴィン・ガスリー、アントニア・トーマス、フレイア・メーバー、ジェイソン・フレミング

脚本:スティーブン・グリーンホーン

製作総指揮:ナイジェル・グリーン、トレバー・グリーン

製作:アラベラ・ペイジ・クロフト、キアラン・パーカー、アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ

撮影:ジョージ・リッチモンド

美術:マイク・ガン

音楽:ポール・イングリッシュビィ

編集:スチュアート・ガザード

原題:Sunshine on Leith

配給:ギャガ

2013年/イギリス/カラー/100分

©DNA Films



公式サイト:http://sunshine.gaga.ne.jp/

公式Facebook:https://www.facebook.com/gagajapan

公式Twitter:https://twitter.com/gagamovie





▼映画『サンシャイン/歌声が響く街』予告編


[youtube:2RthPrvMTn0]

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