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「本当の友情は苦痛と苦難で生まれるもの」『ローン・サバイバー』ピーター・バーグ監督語る

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映画『ローン・サバイバー』より ©2013 Universal Pictures


世界最強の精鋭部隊と呼ばれるアメリカ海軍のネイビー・シールズ、そのひとりの隊員が直面した、極限状態での生存をかけた決断を描いた映画『ローン・サバイバー』が3月21日より公開される。2005年6月にアフガニスタンの山岳地帯でタリバンに対する作戦に失敗、タリバン兵に取り囲まれるも辛くも生き延び、唯一生還を果たしたという実話に基づく今作。その生還者マーカス・ラトレル氏を監修に招き制作したピーター・バーグ監督が語った。




戦闘を音楽のようにデザインする



──これまで『ハンコック』や『バトルシップ』などアクション大作を多く手がけてきたあなたにとって、今回の『ローン・サバイバー』はとてもパーソナルな作品だそうですが、どういうきっかけではじまったのですか?



原作のマーカス・ラトレルによる「アフガン、たった一人の生還」を読んだんだ。それで、ハリウッドの多くの業界関係者と同様、この本につよい繋がりを覚えた。ネイビー・シールズ隊員で、このアフガニスタンの山岳地帯に降下、タリバンを監視し、狙撃ターゲットの捕捉をするという「レッド・ウイング作戦」に参加したマーカスは、戦争に人間的な要素を盛り込むことに成功していて、だからこそ登場人物たちに共感できるし、とてもエモーショナルだ。それで、他のハリウッドの連中と同じように、映画化権をくれとマーカスに売り込みを行ったんだ。



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映画『ローン・サバイバー』のピーター・バーグ監督




──どうしてマーカスはあなたを信頼したんだと思いますか?



それは、2007年の『キングダム/見えざる敵』(サウジアラビアの外国人居住区爆破事件をきっかけにしたFBI捜査官の戦いを描いた作品。フィクションだが、1996年6月26日に起きたホバル・タワー爆破事件、及び2003年5月12日のリヤド居住区爆破事件を参考に製作された)というぼくの作品を観てくれたおかげだ。あの映画の戦闘シーンにおいて、ぼくが細部に注意を払っている点をマーカスは評価してくれた。なにしろ、あの映画ではサウジアラビアの軍隊とアメリカの兵隊との協力関係についての細部を正しく描きたかったから、リサーチに時間をかなりかけていたからね。そして、『ローン・サバイバー』の権利をくれたら、ネイビー・シールズの連中とたっぷり時間を過ごすと約束した。そして、実際にそうしたよ。イラクに行って、シールズの一隊と1ヶ月半に渡って一緒に過ごした。おかげで、ディテールを正しく掴むことができたと思う。つまり、この物語をリアルに描くために一生懸命取り組むと約束したのが良かったんだと思う。



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映画『ローン・サバイバー』より ©2013 Universal Pictures




──ハリウッドには戦争映画がたくさんあって、たくさんのスタイルがあります。『ローン・サバイバー』を手がけるにあたり、どうアプローチしましたか?



もちろん原作を参考にした。この本は誰もが読むべきだと思う。とにかく暴力的な戦いで、4時間半も続いている。そして、彼の戦闘描写がシンフォニー音楽を連想させたんだ。あるときは静寂で、落ち着いている。あるときは、アグレッシブで激しくて、ダイナミックだ。同じひとつの戦闘でも、強弱があるんだよ。ドンパチを同じ調子で4時間やっているわけじゃない。会話を交わす静かなときと、アグレッシブなときがある。それで、マーカスが描写した戦闘を、音楽のようにデザインすることにした。それで、彼らの体験をリアルに観客に伝えるためにね。



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映画『ローン・サバイバー』より ©2013 Universal Pictures



亡くなった兵士たちに敬意を払い、正しく描くことを心がけた



──マーク・ウォルバーグとの仕事は今回がはじめてですが、いかがでしたか?



マークは最高だ。友人であり、パートナーでもある。この映画の資金集めを手助けしてくれて、おまけに他の役者の面倒をみてくれた。マーク・ウォルバーグといえば、他の役者よりも年も経験も上だけれど、キャラクター上はボスじゃない。マーカスは一等兵で、テイラー・キッチュが演じるキャラクター、マイケル・マーフィー大尉がボスだ。だから、マークは謙虚に、チームプレーヤーになることを心がけていた。『マーク・ウォルバーグと、その仲間たち』という関係ではなくてね。彼はずっとチームの一員として行動してくれて、そんな彼の姿勢に感銘を受けたよ。



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映画『ローン・サバイバー』より ©2013 Universal Pictures



──具体的には、撮影現場ではどんな感じだったのですか?



「映画スターのマーク・ウォルバーグ」的にはまるで振る舞わなかった。現場には、彼専用のトレーラーすらなかった。ぼくらは毎朝4時にヘリコプターで山頂に向かったからね。ポケットには昼食用の卵サンドイッチ、手には照明を抱えてね。そして、山頂についたら、機材を運ぶのを手伝った。さらに、トレーラーがないからトイレに行きたければ、茂みにいくしかない。マーク・ウォルバーグは本当に一員となっていたよ。




──この映画でもっとも難しかった点はなんですか?



この戦闘で命を落とした兵士のご両親がこの作品を観ることになると知っていたことだ。だから兵士たちに敬意を払い、正しく描くことを心がけたよ。



──実際の反応はいかがでしたか?



あれは、とてもエモーショナルな体験だった。たくさんの涙が流れ、抱擁がかわされた。最終的に、彼らの承認を得ることができたよ。



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映画『ローン・サバイバー』より(c)2013 Universal Pictures


──この映画では兵士同士の友情が自然に描かれていましたが、あの関係をどうやって生み出したのですか?



マーカスに参加してもらって、ネイビー・シールズのトレーニングを受けさせたんだ。1ヶ月半、ニューメキシコの山頂で本物の銃と実弾と持たせて、トレーニングさせた。1日8時間、長いときには10時間で、シールズの連中とトレーニングを行う。それで、仲間関係が芽生えたんだと思う。山登りは疲れるし、装備は重い、でも、マーカスによれば、本物の友情ってものは幸せや心地よさで生まれるものじゃない。友情とは、苦痛と苦難で生まれるものなんだ。だから、ぼくらは役者を苦痛と苦難のなかに追いこんだ。おかげで、強い友情が生まれたよ。




(オフィシャル・インタビューより)










ピーター・バーグ プロフィール


1964年3月11日、アメリカ、ニューヨーク州生まれ。『ミラクル・マイル』(88)で俳優として映画デビューし数本の映画に出演。1995年にTVシリーズ「シカゴホープ」のレギュラーとなり、脚本や演出も手がけた。脚本も兼ねた『ベリー・バッド・ウェディング』(98)で監督デビューを果たす。『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』(03)に続く、『プライド 栄光への絆』(04)ではUSCスクリプター賞にノミネートされた。後者は2006年にバーグの製作総指揮の下でTVシリーズ化され、5シーズンを数えるロングランを記録した。その後も緊迫感に満ちた国際犯罪サスペンス『キングダム/見えざる敵』(07)、ウィル・スミス主演のアクション・コメディ『ハンコック』(08)、SFアクション大作の『バトルシップ』(12)とヒット作を連発し、めざましい活躍を見せている。











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映画『ローン・サバイバー』より ©2013 Universal Pictures


映画『ローン・サバイバー』

2014年3月21日(金・祝)TOHOシネマズ 日本橋 他、全国ロードショー






監督・脚本・製作:ピーター・バーグ

出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、エリック・バナ

製作:サラ・オーブリー、ランドール・エメット、ノートン・ヘリック、バリー・スパイキングス、アキバ・ゴールズマ:ン、スティーブン・レビンソン、ビタリー・グレゴリアンツ

製作総指揮:ジョージ・ファーラ

撮影:トビアス・シュリッスラー

美術:トム・ダフィールド

衣装:エイミー・ストフスキー

編集:コルビー・パーカー・Jr.

音楽:エクスプロージョンズ・イン・ザ・スカイ、スティーブ・ジャブロンスキー

原作:「アフガン、たった一人の生還」マーカス・ラトレル&パトリック・ロビンソン著(亜紀書房刊)

原題:LONE SURVIVOR

配給:ポニーキャニオン/東宝東和

2013年/アメリカ/121分/スコープサイズ/PG12

©2013 Universal Pictures



公式サイト:http://www.lonesurvivor.jp/

公式Facebook:https://www.facebook.com/lonesurvivor

公式Twitter:https://twitter.com/lonesurvivor_jp






▼映画『ローン・サバイバー』予告編



[youtube:cLlHz796Nho]

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